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Revenge of the "PHS" 前編 [携帯電話・WILLCOM]

既報の通り、WILLCOMの新料金と新端末4機種が発表になりました。

1995年7月にサービスインとなったPHS(Personal Handyphone System)は、当時まだまだ高額だった携帯電話より、安価で手軽な移動体電話として、若年層を中心に一気に広がりをみせ、データ通信に強いという特長などから、「将来は携帯電話よりPHSの方が市場は大きくなる。」とまで言われた期待の星でした。

それが開始時のエリアの狭さと、0円や1円で端末を若年層にばらまいた販売戦略から、「プアマンズ・セルラー(貧乏人のための携帯電話)」というマイナスイメージが付いてしまい、1997年9月の706万8千回線を頂点として、加入者数は減少の一途をたどっていきます。

DDIポケット・NTTパーソナル・アステルの3社で激しい競争をしていた時代も今は昔。NTTパーソナルはNTTドコモへと吸収された後、放置プレイに近い状態にされ、今年4月に新規加入受付が停止、今後2年ほどの間に停波される方向です。もう一方のアステルは電力系通信会社に吸収された後、打つ手もなく各地域で続々と停波、今年中に消滅することになりました。

そんな中、最大手のDDIポケットは、定額制データ通信「AIR H"」を開発。音声用移動電話としては失敗に終わったPHSを、モバイルデータ通信専用のシステムとして市場に認知させることに成功します。

しかしauを中心事業とするKDDIグループ内にいては、携帯電話の補完という立場でしか事業の展開が望めず、コアなユーザーの間では大賛辞をもって迎えられた「AH-K3001V=京ぽん」も、市場のメインストリームとなるまでには至りませんでした。

そんな状況が今年になって一変します。

DDIポケットはKDDIグループを離れ、アメリカの投資グループ・カーライルと京セラのもとで「WILLCOM」という新会社に生まれ変わり、KDDIの顔色を窺う必要も無くなったことで、5月1日、移動体電話初の音声定額制プラン「ウィルコム定額プラン」をスタートさせたのです。

これが見事に大当たり。プラン発表直後の2005年4月末から加入者数は毎月6~7万回線ペースで増加。電器店では若いカップルが続々と二人で契約する姿を見るようになるなど、今や絶好調といっていい勢いです。

しかしそのWILLCOMには唯一の泣き所がありました。ほとんど選択肢が無いという端末ラインアップです。売りのフルブラウザ搭載は京セラの1機種のみ、音声定額さえ出来ればというユーザーでも、京セラ・日本無線・三洋の3つしかありませんでした。

これは「電話会社が共同開発・発注した各メーカーから全量を買い取り、電話会社のブランドで端末を売る」という日本独特の販売手法に原因があります。電話会社側がメーカーに端末の開発を要請しようにも、ある程度の発注量が保証されていないと開発費用も回収できないので、少量の発注では作ってもらえないのです。加入者がドコモの15分の1のWILLCOM向けでは、メーカーもどんなに優れた端末を作っても、売れる絶対量はドコモ向けとは比べものにならないのですから、やる気に差も出るってもんでしょう。

そんな状況を覆すべく、今回WILLCOMは一気に4機種を開発。

元々、良質な音声通話・低廉な料金など、既存携帯電話各社を上回るサービスを提供しているPHSが、ついに唯一の泣き所だった「競争力のある端末」を手に入れたことで、今後日本の移動体通信に大きな地殻変動を呼び起こすかもしれません。

では期待のWILLCOM、まずは新端末4機種を見ていきましょう。

・・・とその前に、全機種共通の基本機能から、

・クリアな通話品質
PHSは誕生当時からADPCM 32Kbpsという、携帯電話各社が今導入してる方式の3倍以上の帯域で、良好な音質の音声通話を提供しており、この圧倒的優位は当面ゆらぐことは無さそうです。

・圧倒的な低電磁波
電磁波がどう人体に影響を与えるか今ひとつ謎な部分が多いですが、少ないなら少ないにこしたことはないと思います。出力の小さいPHSの、これまた圧倒的優位点ですね。

・フルブラウザ搭載
携帯電話各社がポツポツと搭載機を用意しはじめ、jigブラウザなどの有料アプリも出てきていますが、WILLCOMは早くも全機種標準搭載に踏み切ってきました。定額制も含め携帯電話各社はどう対抗するのでしょう。

・Eメール対応
携帯電話各社のメールサービスは自社のメールしか使えませんが、WILLCOMはPOP3/SMTP搭載によって、自分の好きなプロバイダ・メールサーバが選べます。

・PC接続対応
特殊な端子は使わず、全機種USB-miniB端子に統一、しかもケーブル標準添付。PCとの連携も携帯電話各社のやる気のなさとは大違いです。

・安心のセキュリティ
実は法人向けこそWILLCOMの主戦場。全機種に遠隔ロックを搭載予定とは、自分たちが誰に何を提供しなくてはいけないのか、ちゃんと理解してますね。


長くなったので、ここまでを前編として、このあと中編に続きます。


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はまちゃん

PHSって、95年、出た年に使い始め、2年弱使ってました。
PHSって本来、最初からこうあるべきだった・・んだと思います。
今になって、ウィルコムがようやく完成系になりつつある感じです。
by はまちゃん (2005-09-28 01:27) 

akoustam

>はまちゃん
コメント&ナイス投票ありがとうです。

「自社内音声定額」とか「データ通信定額」、7年ほど前に、某PHSキャリア(not WILLCOM)の戦略担当の人に、実現を訴えていました(そういう関係の仕事だったんで・・・)。

そのときは「そのためのバックボーン構築に資金がいくらかかると思ってるんだ?」と笑われて終わったのですが、まさかウィルコムがここまで頑張って実現させるとは思いませんでした。

ここからPHSのリベンジを期待しています。
by akoustam (2005-09-28 03:38) 

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