So-net無料ブログ作成
検索選択

ZEROの鼓動 [携帯電話・WILLCOM]

既報の通り、WILLCOMの新コンセプト「WILLCOM SIM STYLE」の製品化第一弾・第二弾が立て続けに発表されました。

WILLCOM SIM STYLE

このSIMとは「Subscriber Identity Module」の略で、契約者の電話番号などを記憶したICチップのこと。FOMAユーザーが使っている「FOMAカード」はこのSIMの一種で、第3世代携帯電話用のUSIM「Universal SIM」とも呼ばれるものです。

このUSIMを差し替えることで、たとえば複数の電話機を一つの電話番号で使用したりすることなどが出来るわけですが、ウィルコムのW-SIM(Willcom SIM)は、契約者情報を記録したただのICチップではなく、PHSの無線通信部そのものが独立した「通信モジュール」となっています。

ですので、どちらかというとSIMというより、AirH"の通信カードというほうがイメージが近いのですが、こうやって通信部が独立することで、

・一つの契約(W-SIM)で、複数の端末を使い分けることが出来る。
・通信部は開発する必要がないので、無線技術を持たないメーカーも端末を開発できる。
・通信部は開発する必要がないので、より端末部の開発に集中できる。

といったメリットがあります。

今年の7月にWILLCOMからこの「W-SIM」の開発発表があってから、いったいどういう事業展開がされるのかと楽しみにしていたのですが、第一弾の「TT(Tiny Talk)」「DD(Data Driver)」、第二弾の「W-ZERO 3」共にW-SIMの特長を生かした、今までの携帯電話業界には無い端末に仕上げてきました。

たとえばTT。

機能的には、長文のE-Mail機能やWebアクセス機能もカメラも持たない、軽量シンプル携帯電話みたいな内容ですが、これわずか各色3000台×3=9000台しか生産されず、ネットだけの限定販売になるというのです。

莫大な開発費がかかる今の携帯電話機開発手法では、いくらなんでも9000台では開発費の回収さえままならないはず。それがこんな少量ロット生産できるのは、通信部は通信部で開発して大量生産し、そっちで費用回収するのに対し、端末は端末で開発でき、通信機・無線機としての審査・許認可をとる必要もないことから、短期間に、安く、容易に作れる、というW-SIMのコンセプトならではといえます。

そしてなんと言っても注目は第二弾、実質的には初の本格国産スマートフォンと言っていいSHARP製「W-ZERO 3」です。

W-ZERO 3 製品サイト(SHARP)
W-ZERO 3 ニュースリリース(SHARP)

もともと国産PDAの草分け「Zaurus」をやっているSHARPは、過去にこんなキワモノ(笑)でFOMAに参入してくるというおちゃめな一面もあるのですが、トップを走っていたSonyのCLIE無き今、スマートフォン開発に最も向いたメーカーとして、WILLCOMも白羽の矢を立てたのでしょう。

ではこのW-ZERO3を見ていきます。

・Windows Mobile 5.0搭載

昔は独自OS、今はLinuxと、頑なに独自路線を保ってきたZaurusを知っている人から、「なんでWindowsやねん」という声が聞こえてきそうなびっくりのOSを採用してきました。

Windows Mobileは以前はPocket PC等のために用意されたPDA用のOSだったのですが、最新版は海外のPDA市場のスマートフォンへの移行に呼応して、電話に関する機能も実装するなど、スマートフォン用OSに生まれ変わりつつあります。

なるほどそれで開発が簡単だから採用したのか、と思いきや、Windows Mobileのスマートフォン関連機能は日本語版Windows Mobileには実装されておらず、結局アドレス帳や音声通話など電話関連の機能は、SHARPが開発したソフトを組み込んで実現しているという、何だか謎な仕様です。

とはいえLinuxがOSとして電話関連の機能を持っているわけでもありませんし、どっちにしろ独自開発になるのなら、WindowsとしてPCとの連携性やアプリ開発環境が充実しているということで、今回のOS選択もあながち間違いではないと思います。

PDAからやってくる人で、Palmになれてる人には、動作の重さなんかが気になるかもしれません。

・本体サイズ 130mm×70m×26mm 重さ220g

比較対象になる筆頭は、以前のSony Ericsson P990レビューと同じくFOMAのM1000でしょうか。あとは最新のZaurusとも比較してみますと。

NTTドコモ FOMA M1000 本体サイズ 117mm×59.5mm×21.5mm 重さ168g
Zaurus SL-C1000 本体サイズ 124mm×87mm×25mm 重さ278g
(番外)CLIE PEG-NX80V 本体サイズ 131.5mm×71.9mm×21.8mm 重さ235g

まぁだいたい予想通りの感じですが、キーボードがなく液晶が小さいM1000よりは一回り大きく、回転液晶などのギミックがないZaurusよりは軽い、という無難な大きさに収まりました。

これを「携帯電話」ととるか「PDA」ととるかで印象が大きく変わって来ると思いますが、個人的には「ちと大きい」というイメージです。2.8インチの液晶とかでより小さいサイズを目指したならよかったかな。

・3.7インチ VGA解像度・高精細モバイルASV液晶

Zaurusと同じサイズ・解像度の液晶(ただしこっちは視野角の広いASV)を採用してきました。これもこいつを「携帯電話」ととるか「PDA」ととるかでイメージが違ってきます。

まだQVGAが主流の携帯電話としては破格の高解像度であり、1.9インチQVGAのSO902iの4画面分の表示能力があるということになります。PDAとしてはZaurusと同じですから、他社のPDAよりは明らかに優位ですが、SHARP同士で比べるとまぁこんなもんかという感じもします。

とはいえFOMA M1000は2.9インチの208×320の解像度におわっていて、まともなブラウジング能力を期待するなら、やはりW-ZERO 3くらいの液晶は必要なことを考えると、ようやく日本のスマートフォンに必要な最低ラインにようやく到達できたかなと思います。

・QWERTY配列のキーボードによりPCと同様のメール環境を実現


僕はPDAにもキーボードは必要派なので、これは嬉しいところ。ただ携帯電話でもそうなのですが、スライドだと重量バランスがあまりよくなく、打っていて手から滑り落ちそうになったり、疲れてくるのでそこらへん実機はどうなっているのか気になるところです。

・W-SIMと無線LAN(IEEE802.11b)両対応

やはりPHS一本では全てを賄いきれないとふんだのか、無線LANも積んできました。まだ全く未定のようですが、Windows Mobile用の「Skype」が動く、などということも出来るとなると、そこまで許容するWILLCOMの太っ腹ぶりにはちょっと驚きです。

しかしBluetoothは積んで欲しかった。いい加減にBluetoothは携帯電話には標準搭載ということにしてください。

・133万画素CMOSカメラ内蔵

う~ん、あるならあるで便利なのかもしれませんが、なんでもかんでもカメラを搭載しとけばいいのか、という思いがどうしても残ってしまいます。

・Windows Media® Player 10 Mobile for Pocket PC搭載

Ver 5.0になって付いたこいつのおかげで.wmv/.wma/.mp3が扱えるようになりました。

が、その結果普通にmp3を着信音に設定できるそうで、そういうの大好きな人にはたまらないでしょうね。それ以上にこういう機能を付けることで、「着うた1曲300円」などというのが、どんなにぼったくり商売なのかユーザーに知らしめて欲しいところ。

・連続待受200時間 連続通話5時間

PHSなんだからもうちょっと頑張って欲しかったところなのですが、この機能ではここが精一杯ってところですかね。

・miniSDメモリカードスロット搭載

最大1GBまで対応のようです。しかし「SD-Audioなどが利用できるかどうかという点については現段階では未定」とのことで、大容量が必要なのは動画ぐらいでしょうか。というよりminiSDは止めて欲しい、せめてSDで・・・できればSD/IOも・・・とお願いしたいところですね。


以上、端末としての機能を見てきたわけですが、個人的にはやはり「携帯電話としては比類無き高スペック」「PDAとしては並」というポジションだと感じました。

しかし、こいつの真価が発揮されるのはWILLCOMと組み合わせたとき、以前WILLCOMの料金プランに触れましたが、WILLCOM関係者に確認したところ、このW-ZERO 3を使ってのブラウジングは、

3.ウィルコム定額プラン(2900円)+データ定額(1050円~3800円)=3950円~6700円
WILLCOM同士の音声定額、pdx.ne.jpドメインのメール定額に、1xないしは4xでの端末ブラウジング・Eメールを定額にしたいユーザー。最低料金は1050円(約10万パケット分)、0.0105円/パケット、上限3800円(約36万パケット)でキャップ。

↑の扱いになるんだそうです。あくまでもPCとW-ZERO 3をUSBでつないで、W-ZERO 3をPC用モデムに使用したときのみ「PC使用時のキャップ上限額」が適用されるとのことで、6700円で完全につなぎ放題と考えていいということになります。

以前仕事の関係でFOMA M1000のロードテスト3ヶ月やらしてもらったのですが、1ヶ月あたりパケット代が4万円近くかかっていました。はっきり言ってもし全額会社持ちでなかったら、とてもブラウジングは怖くて出来ないなとつくづく思った(笑)のですが、この話を聞いて、音声定額も、128Kbpsブラウジングも、POP/SMTPメールもついて6700円とは、まさに破格のディスカウント、携帯電話では到底実現不能のとんでもないマシンになるなぁと感動しました。

本体価格は5万円前後を予定し、一般の店でもPHSとして販売するそうで、これはまた悩ましい機種を開発してくれたもんです。


今までエンターテインメント路線・若者向け路線が顕著だった日本の携帯電話市場に、ビジネスにも使える本格スマートフォンが、それも使い放題で登場したということで、このW-ZERO 3のインパクトはかなりのものがあります。

そして、このWILLCOMの「WILLCOM SIM STYLE」が示した「色々な端末が出る可能性」「超少量生産も可能」「業界外からの参入への期待」というのは、いままでぬるま湯につかって、我が世の春を謳歌してきた携帯電話会社を震え上がらせる新時代の始まりだと思います。

今は128Kbpsという速度なのでまだまだ活用範囲は限定されますが、たとえばこれが将来的にメガbpsクラスの通信速度になったらどうでしょう。

W-SIMスロットを搭載したWalkmanやiPodが登場して、普段使ってるWILLCOM電話からW-SIMを抜いてプレーヤにさせば、いつでもどこでも楽曲がダウンロード出来る、それも1回線の契約で通信料は定額、なんてことも可能になるかもしれません(ちなみにWILLCOMが設立を目指す「WILLCOM コアモジュール フォーラム(仮称)には、現在Sonyは参加表明無し、Appleは参加表明ありなのです。)。

これからどんなアイデアが登場するのか、2006年はみんながモバイルナンバーポータビリティに気をとられてるうちに、WILLCOMが携帯電話に大逆襲という年にして欲しいものです。


nice!(2)  コメント(5)  トラックバック(0) 
共通テーマ:パソコン・インターネット

nice! 2

コメント 5

arkstar

私は実際、CLIEからの移行を真剣に考えている所です。
現在の構成は、AIR-EDGE PCカード型(4x 128Kつなぎ放題)、CLIE(NX80V)、VAIO TYPE-T、W21S(ダブル定額適用)と何かモバイルの塊みたいな事をしています。
それで、 AIR-EDGEカードとCLIEの部分が一つになり、W-ZERO3がモデムとしてTYPE-Tで使用できるのなら、ここ部分がとてもスッキリするかなと。
ただ、記事中にも書かれていますが、採用OSがWindowsな点がやはり引っ掛かります。無いものねだりかもしれないのですが、これがCLIEでPalmOSだったらもう間違いなく完全移行決定だったのですが(^_^;)
by arkstar (2005-10-23 14:30) 

floss

あぁ、PDAって持ったことなかったんですけど、記事を読んでいたら欲しくなってきました。いかんいかん。定額でどこでもインターネットができて、そこそこの大きさ。魅力的です。ドコモの携帯はそのままに、これ持っておくってのもあり?なんて思ってしまいました。
ということで、短いSO902i熱は冷めちゃいました(*^^*ゞ
by floss (2005-10-23 22:14) 

akoustam

>arkstarさん
コメント&ナイス投票ありがとうございます。

arkstarさんも相当なモバイラーですね。僕も最大時でVAIO 505エクストリーム+bitWarp、FOMA M1000、NOKIA 702NK、京ポンという4つのフルブラウジング手段を持ち歩いてました。
bitWarpと京ポンの統合は一度あきらめたのですが、W-ZERO 3のおかげで再検討開始です。

PalmOSではどうなんでしょうね。Treoがあるとはいえ、今ひとつスマートフォン向きのOSじゃないような気もしないではないです。かといってWindows MobileはPalmほど軽快じゃなさそうだし・・・
by akoustam (2005-10-24 03:03) 

akoustam

>flossさん
コメント&ナイス投票ありがとうございます。

PDAってどうなんでしょうね。僕はもともと紙の手帳すら使わない人だったんで、CLIEのN700を買ったとき、半年したら使い道が無くなって「俺にPDAは必要ねぇ」という結論に達してしまいました(^^;)。

僕はW-ZERO3の登場で、一段とSO902i購入が確実となりました。ドコモは電話+iモードメール+Felicaだけのシンプルなのにして、ブラウジングなどはWILLCOMに完全移行するという路線です。
by akoustam (2005-10-24 03:09) 

商標登録jp

製品紹介のサイトwww.ttdd.jpが全然関係ないサイトになっていますね。ドメインの転売ということでしょうか。
by 商標登録jp (2008-09-07 18:04) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

メッセージを送る