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まさにバーリ・トゥード [気になるモノ・コト]

vale tudo【バーリ・トゥード】 - ポルトガル語で「何でもあり」

昨日はダビング10と私的録音録画補償金の問題を取り上げましたが、今日になって開かれた文化庁の私的録音録画小委員会の暴走はとどまるところをしらず、ついに「ダウンロード行為の違法化」まで実現の方向へ舵を切り出しました。

「ダウンロード違法化」不可避に(ITmedia News)

反対意見多数でも「ダウンロード違法化」のなぜ(ITmedia News)

まだ議事録が文部科学省のサイトに上がっていないので、正確な議論の内容はわかりませんが、ITmediaの記事を見る限り、権利者側の発言は、ダウンロード行為を違法とすべきかどうか以前の問題と言いたくなるようなひどいもので…

もうまさにバーリ・トゥード。権利を傘にかぶったごり押し。好き勝手言いたい放題言ってくれちゃってます。

たとえば、日本映画製作者連盟の華頂尚隆委員。

>「海賊版駆逐の王道は、海賊版とあまり変わらない価格で、正規品と同じ経路で流通させること。だがネットでは正規品が流通しない。ネットはダークサイドで、全く別世界」

「ネットでは正規品が流通しない」って、日本で人気テレビ番組や有名映画が、安価にフルで合法配信されているサービスなんてほとんど見かけないんですが、自分たちが流通させないでおいて、流通しないのはユーザーのせいですか?

日本音楽作家団体協議会の小六禮次郎委員。

>「著作権は小さな権利で、保護の体制全体が心許ない。消費者は、一部の豊かな権利者を見て、われわれが権利の上で豊かな生活をしていると誤解しているかもしれないが、われわれも一般消費者と変わらない立場。もっと保護してもらいたい。保護されたからといって、それに甘んじてスポイルされることはない」

へぇ、今ニコニコ動画あたりでは初音ミクが大流行で、オリジナル曲を作って公開している人がいますが、それが違法に悪用されたら日本音楽作家団体協議会は、元作曲者や元作詞者を守ってくれるんですかね。

結局一部の団体所属の既得権益をもった連中だけが「俺たちは弱者だ、保護しろ!金よこせ!」って言ってるようにしか見えないんですけどね。

実演家著作隣接権センターの椎名和夫委員。

>「地上波テレビのビジネスモデルが日米で違うという事情は、総務省の委員会でも検討してきた。そういった違いがありながらも、ネットと向き合う上での規範という意味では横並びはあってもいいのではないか」

椎名さんぐらいはまともなこと言ってくれるかと思いましたが、輪をかけてムチャクチャです。コピーワンス問題で「海外で放送にコピーワンスなんてかけてる国は無い、アメリカは実質EPN運用で問題が起きてない。」と言う主張には「アメリカと日本は違う。」と言っていながら、ダウンロード違法化の話になると「海外と横並びで良い。」ですか、ものすごく自分たちに都合の良いダブルスタンダードですね。

こんな意味のない議論を続けて出てきた結論が、パブリックコメントの意見を無視しての「違法サイトからのダウンロード行為は違法と認める」なんですから、消費者を馬鹿にするのもいい加減にしろよって感じです。そもそも「私的録音録画小委員会」は、録音録画補償金の制度のあり方を話し合う場だったはずなのに、いつのまにネットのダウンロード行為を違法認定するか決める場になったのでしょうか。

 

…と勢いに任せて書いてしまいましたが、僕も別に著作権を無視したアップロード・ダウンロードを奨励する気はなく、著作権は尊重すべきだと思います。ただ取り締まるなら、ダウンロードではなくアップした人間を摘発してつぶしていけば十分だと思うのです。

しかし、この違法着うたなどの“ダウンロード”議論そのものが、全く今のネットの実態に即していない議論になってるような気がするのは、僕だけでしょうか。

そう思う理由はこれ、

ポータブルプレーヤーとHSDPA対応の通信カードです。

今はこの二つは別々に存在し、なんの関係も無い状態ですが、近い将来(ていうか来年?)これが合体した製品が出てきますし、そもそも日本では音楽プレーヤーや動画プレーヤー機能を内蔵した高機能携帯電話が、広く普及しているという現実があります。

するとどうなるか、今はパソコンや携帯電話で音楽・動画ファイルや着うたを記憶装置に“ダウンロード”して視聴していますが、HSDPA、WiMAX、LTEなど通信技術がさらに発達し、サーバも進化していけば、全ユーザーが安定してMbps単位の通信速度が得られるようになって、全てのコンテンツをオンデマンドで“ストリーミング”視聴する世界が実現可能になるはずです。

それが小委員会では、

>ダウンロードのみ「複製」とみなし、ストリーミングサービスは対象外。ストリーミングサービス利用時にWebブラウザに残るキャッシュについては複製とは扱わず、違法サイトで公開されたコンテンツのストリーミング視聴は合法、ということになる。

ということでストリーミングの普及を想定しておらず、ブラウザのキャッシュも対象外となっています。これでダウンロードが違法となれば、それこそ違法着うたも、ユーザーニーズに合わせて早晩“ストリーミングサイト”化することでしょう。すでに今の時点で下り通信速度3.6Mbpsの905iシリーズが100万台も売れているという現実があるのですから。

そして違法サイトがストリーミング化してしまってから、次に権利者が「ダウンロードだけでなくストリーミング再生も違法と認めろ。」と慌てて主張して来るであろうことは想像に難くないです。

こうしてダウンロードの次はストリーミングも違法認定、ストリーミングの次は…

と、技術の話について行けない権利者が、楽に摘発できるようにと要求が過激な方向にエスカレートしていかないと誰が断言出来るでしょうか。そのうち「著作権違法サイトをクリックしたら、クリックしたユーザーも即摘発。」なんて冗談みたいな主張も彼らなら言いだすかもしれません。何せ「送信可能化権」という権利を世界に先駆けて認められているのに、それで満足出来ないぐらいですので。

で、結局いったいどこに線引きをするのか、それが難しいから、僕は違法サイトからのダウンロード=違法行為とするのには反対なのです。

著作権者の権利を守るには、国民みんなが楽をせず、送信可能化権とプロバイダ制限責任法で地道に違法アップロードを摘発し、学校や家庭などで小さいうちから著作権意識を高く持つような教育をすること、それこそが正しい姿だと思います。利用者がビクビクしながらインターネットを使う未来なんて来て欲しくありません。

 

この違法サイトからのダウンロード違法化議論、意見は色々とあると思いますが、コピーワンス問題と同じく、僕が一番違和感を感じるのが、こんな大事なことが一部の権利者団体と、消費者代表とされる最新技術やネットの実状に疎いおばちゃんの発言だけで決まってしまうことです。

今はネットやデジカメやブログの普及で、誰もが情報の消費者だけでなく情報の発信者=著作物のクリエーターになりうる時代です。それなのに、いつまでも一部の音楽家や映像制作者だけが特別に権利があるかのように振る舞い、自分たちに都合のいいように法律を決めていくのは、どうみても時代に即していません。

僕らの日本という国がコンテンツ立国になることを目指すのであれば、それにふさわしい議論が行われ、世界に誇れるコンテンツ保護活用制度と、クリエーターに対するリスペクトを持つ国にしていきたいものです。


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コメント 3

かつぽん

リスペクトなんて、言われてするモンじゃないですからね(^^;;;
良いものを作ってくれれば、自然とそう言う気も起きるんですよね。
あ、今みたいにひとつ何かが流行ればそれの劣化コピーが
世の中に溢れるような低俗なのじゃあダメっすよ( ̄ー ̄)ニヤリッ

とにかくま、奴らのがめつさにはゲンナリですわ。
by かつぽん (2007-12-19 10:49) 

Riever

(ーー#;;
もうこれは冷静なコメントが難しいです。

とりあえず先生が仰るとおり
>こうしてダウンロードの次はストリーミングも違法認定、ストリーミングの次は…
となっていくことは、火を見るより明らかです。

「権利ばかり」主張して横暴な態度を改めない権利者、どうしようもないです。
by Riever (2007-12-20 20:48) 

Virgo

コンテンツ権利収入に胡座を掻いて楽な商売だと思う禿鷲なじーさま達には、早晩、蟄居頂くしかないですね。

努力しないで、努力したものからむしり取る商売を正道にすえちゃあ、これからの未来は全く以て暗いですから。
by Virgo (2007-12-23 02:19) 

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