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CREAS [Sony・Video]

Sony年末商戦向け製品発表Week、昨日はBlu-ray Discプレーヤー/レコーダーの発表がありました。

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高画質・高音質再生技術を結集したプレステージモデルと、コンパクトサイズで手軽にハイビジョン映像を楽しめるエントリーモデルブルーレイディスクプレーヤー2機種を発売

すべてのハイビジョンテレビで鮮鋭感、立体感ある高画質映像を再現ブルーレイディスクレコーダー計6機種発売
~従来比64倍相当の高階調映像を再現する“CREAS(クリアス)”を搭載~

レコーダーもプレーヤーもキーワードは“高画質”、単体のBDプレーヤーは国内初投入で、エントリーモデルのBDP-S350は、「ゲーム機はちょっと…」とPS3をどうしても買ってくれない人にうってつけとなる、4万円台の値段付け(でもPS3のほうが高画質・高機能・高速レスポンスだと思いますが)ですが、もうひとつのBDP-S5000ESは30万円に迫る高級機。

投入されている技術も、

・高気密ダブルシェル構造のプレシジョンドライブHD
・オーディオ用電源部にRコアトランスを独立して搭載
・独立したアナログオーディオ基板
・FBシャーシなどにより振動を抑えた高音質設計
・プレシジョンクロックコンディショナー採用

と、ES型番にふさわしい高品質なものとなっています。

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一方のレコーダーは、昨季に続き「テレビ録画の“T”」「カメラ連携の“L”」「シアター鑑賞の“X”」の3ライン構成で、「持ち出しの“A”」は年が変わってからの追加となるようですが、正直レコーダーとしての機能には大きな進化は無く、おまかせチャプターがチューナー1にしかかからない、録画中はBD再生出来ない、というような妙な制限はそのまま残っています。

どうも昨年PanasonicのDIGA BW800/900に画質面で負けたのが相当気になっていたらしく、「今年は機能よりも画質でライバルを上回る」ことに全力を注いだ感があります。

 

そんな今年のキーワード“高画質”を象徴する新開発回路が「CREAS(クリアス)」です。

世界初、すべてのハイビジョン映像を鮮鋭感、立体感ある14ビット相当の高階調映像で出力するビデオ用高画質回路“CREAS(クリアス)”を開発

CREASはBDZ-T/L/Xのレコーダー全機種とBDP-S5000ESに搭載され、いきなりSonyのBDの中心技術に躍り出てきたので、今回はこのCREASに絞って見ていこうと思います。

まずはCREASの概念図から、

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CREASが高画質化するのは映像の「色」の部分。

図にあるとおり、BD/DVD/HDV/AVCHD/テレビ放送などの映像ソースは、規格上すべて8ビット(256階調)で量子化されています。しかしアナログのため事実上無限に階調がある、フィルム撮影された映画をスキャンしたものや、Sonyの業務用規格HDCAM-SR(映像量子化ビット数10ビット(1024階調))などは、本来8ビットを上回る情報量でマスターが製作されており、放送やパッケージ化する際には、あえて情報量を圧縮した(画質が低下した)映像が僕らの手元には届いているわけです。

しかし最近は「DeepColor」という8ビット以上階調を持つ映像信号に対応したテレビが登場し、「HDMI1.3a」というDeepColor対応信号を伝送できる規格まで完成したので、映像を出力する機械さえDeepColorに対応すれば、もっと豊かで滑らかな階調の映像が楽しめる環境が整ってきました。

そこで「8ビットの元ソースから14ビット(16384階調)の映像を作り出してしまおう」というのが、CREASのキモその1“HDリアリティエンハンサー”です。

HDリアリティエンハンサーは、まず映像解析ブロックが入力された映像信号を瞬時に解析し、画素単位で「これは平坦な部分なのか」「これは字幕なのか」「これはノイズなのか」「これは人の肌の部分なのか」といったことを判別して、各画素の特徴に適応した映像処理を施して行きます。

その処理が「エンハンス」と「スムージング」。

「エンハンス」は、本来もっと細かいディテールがあったのに、圧縮過程で全部同じような色扱いをされ、映像に埋もれてしまった部分を再現し、「スムージング」は、色のグラデーション部分などで滑らかに階調変化していたのが、圧縮過程で階調変化がガタガタになって、カラーバンディングが現れてしまった部分を元の滑らかな状態に戻す処理を行うのです。

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こうして14ビット(16384階調)の繊細な階調をもった映像に作り変えられた信号は、「ピクチャーコントロール」「フレキシブルガンマ補正」という画質調整ブロックを通過し、次に「クロマアップサンプリング」ブロックにやってきます。

このクロマアップサンプリング性能の高さこそ、PanasonicのDIGAが昨年「高画質」と評価された最大の要因であり、Sonyが差をつけられていた部分だったわけですが、もちろんここも改善されています。

 

ではそのクロマアップサンプリングとは何か?その解説の前に映像信号の基礎をちょっとだけ。

実は人間の目というのは正確なようで結構いい加減に出来ており、輝度(明るさ)の差は敏感に感知するのに対し、色の差の感知には鈍感で、多少色がおかしかろうがあまりわからないという特性をもっています(全くわからないわけではない)。

そこで映像信号をR:G:Bという光の三原色ごとの信号ではなく、輝度(Y)信号と色差(Cb:Cr)信号に分けて記録し、輝度信号は1ドットごとに正確に記録しておくが、色差信号は縦横隣あったドットごとに同じ色としてまとめてしまって、データ量を圧縮するということが行われていて、その輝度信号と色差信号のデータ量の対比を表したのが、上のCREASの概念図の4:4:4や4:2:2と表記されている部分です。

ちなみにデジタル放送もハンディカムもDVDなどの映像パッケージも4:2:0(輝度信号に対し色差信号が1/4しかない=色差信号は4ドットがひとまとめにされている)という方式が使われています。

 その記録されていない色情報を補完して、もとの4:4:4に戻す工程がクロマアップサンプリングなのですが、初期のDVDプレーヤーなどには、単純な補完しかしないために激しく色滲みを起こしているものもありました。しかし、Panasonicはハリウッドに設立しているPHLが高精度の補完アルゴリズムを開発済みで、それをそっくりそのままDIGAに載せて高画質を実現していた、それが昨年のDIGAです。

しかし今回のCREASによってSonyもこのクロマアップサンプリング処理を改善し、水平方向・垂直方向どちらも色滲みを起こさないようになっているので、今年こそはPanasonicに負けない画質が期待できそうです。

 

こうして「階調=14ビット 輝度:色差データ量比=4:4:4」という高画質になった映像信号ですが、このままの信号を映し出すことが出来るテレビはありません。DeepColor対応のテレビでも12ビットか10ビット、普通のテレビだと8ビットまでの信号しか受け付けないので、もう一度ビット数を落としてやらないといけないのです。

そこで登場するのがCREASのキモその2“SBM for Video”

SBM=Super Bit Mappingはオーディオマニアの方なら良くご存知ですね。SBMはSonyの開発した高音質技術で、24/20ビットなどの高いビットで録音したマスターテープを、規格上16ビットが上限の音楽CDに落とし込む際、単純に情報を削るのではなく、高度な演算で情報をうまく織り込んで、16ビットなのに24/20ビット並みの音質を実現するという技術で、うちにもSBMレコーディングされたCDが山ほどあります。

このSBMを映像信号に応用したのがSBM for Videoで、この処理を行うことで14ビットの繊細な階調感をうまく残したまま8ビットにデータを落として、テレビに出力するのです(DeepColor対応テレビにHDMI接続すると「これはDeepColor対応機」という機器情報を受け取って、テレビに合わせた10ビットか12ビットで出力するようになっています)。

 

こうして元ソースになかった色の情報をうまく補完して、よりマスターデータに近い映像を実現しようというのが、今回のCREASであり、解像度を補完して高画質化するDRC-MFv3と両方が搭載されているBDZ-X95/100は、すでに実際の映像を見た人の情報だと、かなりの高画質が実現されているとのことです。

 

今回機能的なアップが少なかったため、あまり良い評価が聞かれないSonyのBlu-rayレコーダーですが、逆に僕は今年初めて「買いだ」という評価を下したいと思います。

二層非対応だったV9、筐体が一気に安っぽくなったX90と、何度も期待はずれに終わったSonyのレコーダーも、今年ようやくバランスのとれた弱点の少ない製品に仕上がりました。特にX95は20万円という価格ながら4mm厚天板という高剛性シャーシを備えており、非常にコストパフォーマンスに優れた製品となっています。

懸案だったBDプレーヤーもついに国内投入が決まり、パッケージ作品もさらに充実するでしょうし、高画質なパッケージを楽しみつつ、WOWOWやNHKなどでたまにやる良質なコンテンツも録画して楽しむ、そんな使い方ならたとえ20万円でも十分に元が取れるでしょう、これはお勧めです。


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