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断念 [Sony・TV]

まだ正式なプレスリリース等は出ていませんが、Sonyで研究していた技術を引き継いで、次世代ディスプレイ“FED(電界放出ディスプレイ)”の量産化を目指していたエフ・イー・テクノロジーズが、量産化を断念し会社そのものが清算されることになったようです。

「FED」の事業化を断念。資金調達難のため-ソニーなど出資のFETが清算手続きを開始 (Impress AV Watch)

FEDの量産断念、技術譲渡へ ソニー系のエフ・イー・テクノロジーズ (ITmedia News)

エフ・イー・テクノロジーズ

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ブラウン管と基礎原理が似ていて、薄型でありながら高視野角・高速応答・高い色再現性を実現した夢のディスプレイ「FED」でしたが、類似技術の「SED」で、事業化の一歩手前まで来ていたはずのCanonでさえ、あの特許問題が片付いたにもかかわらず、量産の目処が立たない状態となっており、同じく完成度の高い試作品をCEATECに展示できるレベルにあったエフ・イー・テクノロジーズも、結局量産するために必要な資金が集められずに断念ということになってしまいました。

一応表向きは「資金の問題」が原因とされていますが、ここまで出来上がっていながら誰も出資してくれないということは、量産技術に相当問題があったか、量産しても事業として成り立たない(それを求める市場が無い)と判断されたのかもしれません。

というのも先日プレイステーションの父、久夛良木健氏が言っていたように、

未来のテレビは? 久夛良木氏「Eee PC化する」 麻倉氏「壁になる」 (ITmedia News)

これからの家庭用テレビは、あらゆる情報の窓として時間も場所も問わず使われる「情報ツール」としての役割が強まり、ただ放送やビデオソフトを今より高画質に映せればよい、とはいかなくなると予想されるからです。

自宅にQUALIA006や200インチのフロントプロジェクターを持ち、トップレベルの画質・音質マニアとして知られる久夛良木さんでさえその考えなのですから、今のテレビ画質で満足している一般の人に「FEDで薄くなった!綺麗になった!」と言ったところで、「で、プラズマや液晶と何が違うの?」と返されるのがオチでしょう(だからエフ・イーは業務用ディスプレイ市場を狙ったのでしょうが)。

やはり「とにかく自前技術で質の良いハードウェアを作った企業が儲かる」という、アナログなものつくり全盛時代は終わりを告げ、「質の良いハードウェアと質の良いソフトウェア、全てをひっくるめて、たとえ自前技術でなくても“優れた総合的ユーザー体験”を提供した企業が儲かる」という、デジタル時代の新しい総合力競争時代が始まったことを、また改めて思い知らされた今回のニュースでした。

今後は会社は消滅し、この技術を買い取ってくれる譲渡先を探すことになりますが、今の不況下で果たして手を挙げてくれるところはあるのかどうか、せめてこの技術が国外に流出しないよう、国内企業になんとか頑張ってもらいたいところです。


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