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akoustamの東北ボランティア日記 第六日「希望」 [日記]

akoustamのボランティア日記、ついに今日が第六日です。

4月30日の14時過ぎに到着してから早6日、もう帰る日がやってきてしまいました。

朝のミーティングにも、支給される朝食にも、しばらく出会うことはありません。なお昨日で一気にボランティアの数も減り、また200人ほどでの運営となっています。

なので、今日僕が希望した現場も20人ほどで木材を撤去するというチーム。昨日はここで人海戦術をとっていたのが嘘のように、細々と作業は進みます。

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(しかしストリートビューには津波前の姿が残っていて、以前はこういう店が建っていたのが分かるという。確かにお店の看板やこの家の屋根の構造は、僕が片付けた木材の姿そのものです…やるせない。)

昨日までに仲良くなったボランティア仲間も、ほとんどが帰ってしまい、どことなく沈んだ雰囲気の中でしたが、気落ちしているヒマはありません。たとえ一人でもいいから片付けの手を貸して欲しい家主さんが、お一人お一人各建物にいるのです。

昼食を挟んで合計4時間半作業を行ったところで、僕自身もタイムリミット。

あとはまだ残る仲間に「頼んだよ」と声をかけて、この気仙沼市浜地区を去ることにしました。

6日間慣れ親しんだ「はまセン」ともお別れ、かつぽんさんお得意(笑)の「予備」と言って貰った、ゴーグルや作業手袋などの装備品。店員佐藤さんに「美味しいものでも」と託された資金の残り分と、僕自身の募金。それら全てを運営スタッフに引き渡して、午後3時、センターから出発です。

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ここから後は、気仙沼市本市を目指して20Km強の北上。

来たときに最も唖然とさせられた、小泉地区のJR気仙沼線高架はいつまでこの姿なのでしょうか。

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その後もリアス式海岸に沿って気仙沼市中心部まで、標高が10~20mを上回る地点は普通の日本の風景、

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ある一定の標高を下回ると、そこは一面津波に破壊された跡、

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というコントラストの激しい姿が続きます。

特に気仙沼線の破壊度はすさまじく、何十キロにも渡ってこんな状態が連続します。

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(以前の日記に書いたとおり、地盤沈下のために満潮時になると海面が防波堤や線路面ギリギリに迫ってきています。明らかにおかしいと感じる風景。)

そして走ること1時間半。気仙沼市の中心部に入りました。

もうそこは、何とも形容しがたい光景の連続。

パノラマ画像(PetaMap)

僕があの日3時間半の徒歩帰宅を終え、家のテレビを点けたときに、最初に目に飛び込んできたのは、NHKが伝えた自衛隊による気仙沼市上空からの火災の映像でした。

まさかその気仙沼に、自分がボランティアで訪れることになるなんて、思いもよりませんでしたが、それは多分この辺のものだったのでしょう。

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その後も中心部を走っていると、こんな光景がそこかしこに。

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そして各種メディアでも取り上げられた、道路にうちあげられた大型船も未だに手つかずのままになっています。これはこの場で徐々に解体していくしか手は無さそうです。

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その周辺の船も海に浮かんではいるものの、全て火災で燃えた跡が残っています。

パノラマ画像(PetaMap)

パノラマ画像(PetaMap)

港に近づいてみると、先ほどの気仙沼線の写真に続いて、やはりここも海面が異常に高く感じられます。

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浜地区の皆さんも昨日会った南三陸町のお爺さんも、口をそろえて言っていた「今回の地震によって地盤が1~2mほど地盤沈下を起こしている」という話は、気仙沼中心部でも起こっているようです。1~2mの違いとは言え、津波が来る前の地震の段階でこの高さに地面が沈下したことで、水による被害面積をより拡大させる原因となったかもしれません。

しかし海面がこんなところまであがってきてしまうとなると、船の係留も大変ですし、港は全て岸壁をかさ上げする工事が必要になるのではと地元で言われていて、気仙沼線・大船渡線・三陸鉄道等で海沿いギリギリに敷設してあった線路は、何らかの高さ対策を要求されることになりそうです(となるとその前後のトンネルなども作り直し?)。いったいどうなるのでしょう…

一通りまわった後、高台にあって被害を免れた気仙沼駅へ、

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ここで自転車を分解し、大船渡線に乗って一関を目指します。

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一関からの新幹線では座ることが出来たので、久しぶりの豪華な食事として「前沢牛めし」弁当を。こんな食事が出来るだけでもありがたいことです。

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最後は新幹線-JR-小田急線と乗り継いで、一週間ぶりの我が家に無事到着です。


以上、6日間にわたって「akoustam Powered by かつぽん&店員佐藤」の東北ボランティア日記をお送りしましたが、今回の活動で感じたのはただ一点。

「何もかしこまった“ボランティア”じゃなくてただの観光でも良い、渋滞などで迷惑をかけずに地元にお金を落としてくれるのであれば、それこそ物見遊山気分でもかまわない、ただとにかくこの現実を自分の目で確かめて欲しい

ということです。

僕のつたない文章力や下手くそな写真では、震災の姿は全く伝わりません。やはりみなさんに本物を見ていただくしか、あの現実を知って貰うすべはないと思うのです。

そして一人一人が、今自分が何をすべきなのかを考えていかなければいけない。

政府や自治体、学者や識者の間では「復興」プランなども考えられているようですが、現場は復興のスタートラインに立つための「復旧」すら出来ていませんし、そのメドすらたっていません。これから進んでいく長い道のりの一歩目さえ踏み出せていないのです。

まずは最初の一歩から始め、10年、20年たってあそこを訪れたとき、地元の皆さんが、「そんな日もあったね」とこの震災を思い出話として語れる日常が来るまで、希望を捨てずこの先も支援の道を走り続けよう、そう感じた6日間でした。

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コメント 8

かつぽん

本当に、本当にお疲れさまでした。

イヤ・・・映像では見たことのある画像でも、
実際に人の足で稼いだ画像・・・どれも説得力がありすぎます。
東京で平和な毎日が暮らせていることに感謝すると同時に
被災地の皆さんへの長期的なサポートを考えていかなければなりませんね。
迅速に何とかしなきゃならないのは港湾部の高潮対策でしょうか?
秋になれば台風がやってきますし・・・
by かつぽん (2011-05-06 13:26) 

Riever

お疲れさまです。
未だにこのような状態というのをこれでもかと感じさせられました。

(春休みは少しの間)地元にいながら、インフラや物資、何より余震からの津波そのものの問題もあり(気仙沼を含む沿岸部は)まったく見られなかった私でしたが・・・やはり内陸の方とは全く違うなと感じます。

by Riever (2011-05-06 14:19) 

店員佐藤

6日間おつかれさまでした。
その目的地まで行くまでの道中も人力が
入るという。。。まさに頭がさがります。

また詳細なレポート、とても参考になりました。
たくさんの意味でありがとうございました。
by 店員佐藤 (2011-05-06 17:31) 

K

おじゃまします

ボランティア活動、お疲れ様でした。

以前、成田モーターランドで開催されている「アバルトカップ」という、四輪のタイムアタック形式の走行会に出場しているときに、コースアウトしてコース脇の藪に飛び込み、引きずり出せない車を、エントラントたちでよってたかって「担ぎ出した」のを思い出しました。

機械があっても役立たないときに、誰が言い出すわけでもなく皆が知恵を出し合い、力を合わせて車を救出し、皆で満足げな顔を見合わせながら競技を続行したのをこの記事を読んで思い出しました。

この震災の被災地での作業に比べれば、ほんの些細なことだと思いますが、「力」を合わせて目前の問題にさっさと取り組む。ということでは共通していることかな?とも思います。

ナンにしても広範囲なために、これからな復旧・復興だとは思いますが、私も何らかの形でかかわれたらな、とは思っております。

そういう意味でも、6日間に渡るレポートは大変参考になりました。


ありがとうございましたm(_ _)m。
by K (2011-05-06 22:09) 

as

akoustamさん、本当にお疲れ様でした。そしてお帰りなさい。たくさんの写真に率直なコメントで、報道とは少し違った角度で被災地を見させていただき、本当に感謝しています。私の親戚も被災していますが、これからも長い支援が必要ですね。私は現地でボランティとしては力になれませんが、私にできる支援をしていきたいと思います。本当にお疲れ様でした!!
by as (2011-05-06 22:37) 

Virgo

akoustamさん、お疲れ様でした。

これで知ってる方が撮った被災地の写真は二度目になりますが、知ってる方が現地に赴いて行動した証の写真にはあの日以来、流れる報道写真の数倍も感じるものがあります。

きっと、これから何十年も語り継がれていく事になる傷跡ですが、被災された方が『あの時はって・・』笑える日を迎えられるように、我々は粛々と毎日お金を落としながら歩むしかないんですよね。
結果、回り回って復旧資金になると信じて。

この日記は永く刻みつけておきたいと思います、心の中に。
ありがとうございました。

by Virgo (2011-05-06 22:57) 

bar07

お疲れ様でした。
大きなけがなどはされなかったようで、何よりです。

by bar07 (2011-05-07 09:48) 

Jupiter

頭が下がります。怪我をされないよう祈っています。
by Jupiter (2011-05-13 00:36) 

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